みらいデンタルクリニック、院長の高橋です。
「うちの子、歯磨きになると大泣きするんです……」
お子さんを連れて来院されるお母さん、お父さんから、こうしたご相談をいただくことが本当に多いです。お口の中を見せてもらおうとしただけで、大きな声で泣き出してしまう。そんな光景は、当院でも日常茶飯事です。
でも、安心してください。歯磨き嫌いのお子さんは、まったく珍しくありません。むしろ、最初からニコニコ歯磨きさせてくれる子のほうが稀なくらいです。
大切なのは、「嫌がるから」と諶めてしまわないこと。そして、年齢に合った接し方で、少しずつ「お口のケアって怖くないんだな」と感じてもらうことです。
今回は、日々の診療の中で保護者の方にお伝えしている「年齢別の歯磨きのコツ」を、少し詳しくお話しさせてください。
0〜1歳|この時期の目標は「お口を触られることに慣れる」こと
歯が生え始める前から、ぜひやっていただきたいことがあります。
それは、きれいなガーゼで歯ぐきをやさしく拭いてあげること。
「え、歯がないのに?」と思われるかもしれません。でも、これにはちゃんと理由があります。赤ちゃんの頃からお口の中を触られることに慣れておくと、いざ歯ブラシを使い始めた時の抵抗感がまったく違うんです。
この時期は、磨く精度なんて気にしなくて大丈夫。「お口きれいにしようね〜」と笑顔で声をかけながら、遊びの延長のように。「嫌な体験にしない」ことが、何より大切です。
2〜3歳|「自分でやりたい!」を味方につける
イヤイヤ期真っ盛りのこの時期。何でも「自分で!」と主張しますよね。歯磨きも例外ではありません。
ここで無理やり磨こうとすると、逆効果になってしまいます。
おすすめは、まずお子さん自身に歯ブラシを持たせて、好きなように磨かせてあげること。もちろん、この年齢ではきちんと磨けるはずがありません。でも「自分でできた!」という満足感がとても大事なんです。
お子さんが満足したあとに、「じゃあ、仕上げ磨きタイムね!」と切り替えて、保護者の方が丁寧に磨いてあげてください。
お気に入りのキャラクターの歯ブラシを自分で選ばせたり、「10数えたら終わりね」とゴールを見せてあげたり。こうした小さな工夫が、驚くほど効果を発揮することがあります。
4〜5歳|「なぜ磨くのか」が伝わり始める年齢
少しずつ理由を理解できるようになるこの時期は、ぜひ「どうして歯磨きをするのか」を簡単な言葉で伝えてみてください。
「バイキンさんがお口にいると、歯が痛くなっちゃうんだよ」「歯磨きすると、バイキンさんバイバイできるよ」——こうした声かけは、びっくりするくらい響きます。
当院でよくおすすめしているのが、染め出し液を使った「磨き残しの見える化」です。実際に自分のお口が赤く染まるのを見ると、子どもたちの目の色が変わるんですよ。「うわ、バイキンいっぱい!」と、俄然やる気になってくれます。
歯磨きカレンダーにシールを貼る、というのも効果的です。毎日の「できた!」が目に見えると、お子さんにとって大きな自信になります。
小学生以降|実は、まだ仕上げ磨きが必要です
小学校に入ると「もう自分で磨けるでしょ」と、仕上げ磨きを卒業するご家庭が多いのですが、ここでひとつ、お伝えしたいことがあります。
できれば小学校低学年までは、仕上げ磨きを続けていただきたいのです。
この時期は奥歯の生え変わりが起きるため、特に磨き残しが増えやすいタイミング。毎日でなくても構いません。週に数回、「ちょっとチェックさせてね」と見てあげるだけで、虫歯のリスクはぐっと下がります。
歯磨きのことで困ったら、遠慮なくご相談ください
「どうしても磨かせてくれない」「虫歯になっていないか心配」——保護者の方がそう感じた時が、歯科医院に相談するベストなタイミングです。
当院では、お子さんが歯医者を怖がらないよう、いきなり治療を始めることはしません。まずは診療台に座ってみる練習から。お口を「あーん」と開ける練習から。段階的に慣れてもらうことを、何より大切にしています。
保護者の方への歯磨き指導も行っていますので、一緒にお子さんのお口の健康を守っていきましょう。「ちょっと話を聞いてみたいな」くらいの気持ちで、気軽にお越しください。
